いつまでも片思い

彼女はいなくなってしまった。
どこに住んでいるのか、生きているのかさえ全くわからない。
それでもいいのだ。彼女が幸せであれば。


彼女とはいつも小さな小部屋で二人きりで会った。
漫画の趣味が合い意気投合した。
彼女に嫌われないように、彼女がおもしろいというものには賛同した。
いつもの私の様に
彼女がおもしろいと思うつぼを研究した。
何度も何度も読み返したが私には理解できなかった。
いつまでたっても彼女側の人間になることはできなかった。それをすぐには認められなかった。


出会って5年が過ぎた時から少しずつ会わなくなった。


そろそろ彼女に会いに行こうと思っていた頃、一通の手紙とともに彼女は私の前から姿を消した。
彼女に会いたい、話がしたいと思っていたのにどうしてか彼女の家に足は向かなかった。

彼女が住んでいたから、彼女がかわいいといったから好きだったその街。
今は電車で通り過ぎるだけ。